キミとの恋は、校則違反。
1
「‥‥また負けた‥‥?」
自分の名前、『氷室 莉音』の横には学年"2位”の文字。
今回は勝てると思っていたのに‥‥またアイツに負けた。
ぐしゃり、と個別の成績表を握りしめ、私は机に項垂れた。
「ほら、しゃきっとしな。"高嶺の花”さん」
「‥‥誰よ、そんな名前つけてきたの」
目の前でオレンジジュースの紙パックにストローをさし、笑いを堪える彼女に視線向ける。
「志乃(シノ)、面白がってるでしょ?」
「もちろん」
幼稚園からの付き合いである、井上 志乃は満面の笑みを浮かべていた。