キミとの恋は、校則違反。
高校に入学し、いつの間にか"高嶺の花”と呼ばれるようになり‥‥2年目の夏。
どうしてそうなった、と頭を悩ませながら私はあることを思い出した。
「‥‥アイツに会ってない」
「ん?あぁ、そういえばいないね」
いつものことじゃない、と志乃はスマフォのロック画面をスライドさせていた。
‥‥いつも思うけど、待ち受け画面が血塗れの画像って何事なんだろう。
「‥‥ちょっと行ってくる」
「はいはい、旦那のとこね?」
「っ、旦那じゃないってば!」
ムキになって志乃に言い返せば、くすりと笑われた。
昔から志乃には口で勝てる気がしない。