欲情プール
「そして俺は、何とか露美を丸め込んで。
とりあえず、オーナーズルームでの同棲へと漕ぎ着けた」


同棲!?

慧剛とあのコ、一緒に住んでたんだ…!


同じフロアに住んでるとは思ってたけど…
それぞれオーナーズルームとゲストルームに分かれてると思ってた。

違う寧ろ、願ってた。


何を聞いても平気、だなんて言っときながら…
思わず瞳に動揺を浮かべると。

それに気付いてか、補足がされる。



「同棲は…
俺は忙しかったから。
その中で手懐ける為と、監視目的で。

そうまでしても、この婚約話を成立させたかった。

それを土台に武生興産との揺るぎない提携を結べば、株主や役員達の評価や信頼度が上がる。
常務を敵にして俺が社長になるには、外せない条件だからだ」


そこにはきっと…
前の彼女さんを傷付けた責任も、のし掛かってるんだと思った。



「だけどその結果…
茉歩達夫婦を巻き込んだ」


どういう事?

本題を前に、心臓がドクリと覚悟を示す。


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