欲情プール
「今まで何でも手に入れて来た露美は、
与えられたものや簡単に手に入るものには魅力を感じない。

だんだんと俺の存在を疎むようになって、
手に入らないものを欲しがった。

そんな時、茉歩の旦那とスカイラウンジで出会って…
優しくて、奥さんに一途なそいつに惹かれていった。

だけどそいつは、どんなに口説いても奥さんの事ばかりで…
それが逆に、落とせない男なんていなかった露美を本気にさせた」


そんな経緯(いきさつ)があったなんて…!

聡は、簡単に心変わりした訳じゃなかったんだ…


今さら胸が痛むけど。

だからって、それを知ってたとしても許せなかっただろう。



「そして結局は…
寂しさと子供好きな所を上手く擽られて。
…そいつはオーナーズルームに入り浸るようになった」


それって…!

「まさかっ…
そこで不倫関係を重ねてたの!?」


驚きの問いをぶつけると、
慧剛はためらいがちに頷いた。


「そんなっ…
第一、そこは慧剛と同棲してる部屋でしょ!?
鉢合わせしたら、どうするつもりだったんだろ…」


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