欲情プール
「寧ろ、最初はそれを狙ってたんだろ。
そしたら婚約解消出来ると思って。

仮に、相手の男に俺の存在がバレても。
自分が間に入れば、上手く取り繕えると思ってたんだろ」


慧剛の解釈を聞きながらも…
こんな近くで不倫されてた事に、ショックを受ける。

だけど、それは私も同じか。


夫婦は鏡だなんて、よく言うけど…

例えば。
自分がいい変化をすれば、相手もいい方へ変わる。
そしてその逆も。

今の私達は、そんな最低なとこだけ夫婦らしいだなんて…
皮肉だね。


そんな私に、新たなショックの制裁が加えられる。



「だから寧ろ、こっちから鉢合わせを避け続けて…
打開策として。

そいつの奥さんを、上手く利用出来ないかと考えた」



そっか。

偶然は、このビルに住んだ事だけで…



「その為に色々と調べて…

職安で声を掛けたのも、偶然じゃない」



私に近づいたのは…


最初から全部、策略だったんだね…!


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