欲情プール
「俺の事を…
何とも思わないのか?」

状況的に、許せないと思わないのか?って事だろう。


「そうだね…

理由は何であれ、慧剛は夫を取り戻してくれた。
だから今まで通り側に居て…

今度は私が慧剛の目的通り。
あのコの気を引いて、婚約をサポートしてあげる」


不審の目を躱す為の、思い付きで言った訳じゃない。
ここ何日か漠然と考えてた。

離れられないお詫びに、私が慧剛に出来る事…
慧剛の目的をサポートする方法を。



まずは私が聡を繋ぎ止めて、あのコが完全に振られたら…
きっと傷心に付け入る隙が出来る。

そして慧剛なら、そこに上手く取り入る事が出来る筈だ。

だけどそのタイミングで、慧剛の気持ちが自分にないと思ったら…
あなた(ロミ)なら、手に入れたくなるでしょう?



その計画を、さっきから表情を曇らせてる慧剛に告げると。


「どうやって、俺の気持ちが露美にないって思わせるんだ?」

乗り気じゃない様子で、躱すように笑われた。


真剣に考えてた私は、少しだけカチンときて。
挑発するように…

ワイシャツの第一ボタンを外したら見える位置に、唇を押し当てた。


< 139 / 289 >

この作品をシェア

pagetop