欲情プール
そんな私に、さらなる追い打ち。


計画と心は反して、その苦しみに打ちのめされる。

あのコを抱いた後でもいい、とまで覚悟をしていた筈なのに…
慧剛の肌に、付けた覚えのないキスマークを見つけて。

嫉妬に狂いそうになる!



上手く、いってるんだ?

それを望んでた筈なのに、目の当たりにしたら…
醜い感情が溢れて。


慧剛を独り占めしたい…!
誰にも触れてほしくない!
誰にも渡したくない!

きっと私が誰よりも慧剛を!
慧剛を…


言葉に出来ない感情が、暴れて胸を破壊する。

そしてそれは今にも出て来そうで…!
必死に堰き止めて、飲み込んで。

もう気が狂いそう!



「ねぇっ…、好き……っ!」


絶頂の瞬間。
防ぎ切れなかった言葉が零れて…

ハッとした私に、耳を疑うように驚く慧剛が映り込む。


「っ、慧剛の抱き方…、すごく好き…」

無理やりカモフラージュしたものの…

ハハッて、困った笑顔が返って来て。


「…何?」

困った理由を問い質す。


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