欲情プール
なんにしても!
そんな事言わないで…!

本当はただでさえ、この行動が嬉しくて堪らないのに。
独り占めしたい、なんて言われたら…

慧剛の人生を狂わせてしまいそうになる!



なのにその人は…
私を更なる葛藤の渦に、引き摺り込む。



「茉歩は…
俺がこのまま、露美のものになっても構わないのか?」


「何、言ってるの…?

構うも、構わないも…
最初から慧剛はあのコのものじゃない」


「そうじゃなくて。
俺に…

愛はない?」


その瞬間。
心臓が飛び出そうになった!


だけどこの感情は、愛なんかじゃなくて…
所詮、ただの欲でしかなくて…

だけどもう!
欲だけじゃ片付けられない感情で…!!


ねぇ…!
愛してるって答えたら、どうなるの…?



「そんなの、解らないよ…」

でもそれを口にする勇気はなくて。


「じゃあ今考えろ」


「っ…!

ほんとに…
どうしたの?慧剛。

寧ろ…
慧剛はそんな下らない事考えてないで、自分の目的だけ考えて。

私はそれを、サポートするから」


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