欲情プール
次の日の仕事中…

いつになく、やる気のない慧剛。


「体調でも、悪いんですか?」

そういえば昨日、苦しいって言ってた!


「いや。

どーせ俺なんて…
つまんない男だったんだなって」


なんだ、そんな事?

もう、心配したじゃない!
たまに子供みたいなんだから…


「何いじけてるんですか?」

そんな慧剛も、可愛くて好きだけど。


「専務は素敵ですよ」


「…あいつよりも?」


あいつって、聡だよね?
この前から何張り合ってるの?

でも、解らなくもない。


あのコは慧剛より聡の方が良かった訳で。
独占したい私は、聡に抱かれてて。
しかもその生活を維持したがってる状態で。

慧剛からみれば、負けっぱなしみたいに感じるだろう。



「…誰よりも素敵です。

だから私は…
そんな専務の人生を、全力でサポートしたいんです」


その答えを受けた慧剛は、観念したような笑顔で溜息を吐き零す。


「じゃあ頑張るしかないなっ。
新しい道に向けて…

手に入れたいなら、まずは自分の地盤を整えなきゃな」

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