欲情プール
抑えきれなくなった私達は、マンションの通路にも関わらず…
お互いの唇を求めずにはいられなかった!



甘すぎる吐息を溶かし合って、
唇を押し付けるように這わせ合って、
口内をめちゃくちゃに交ぜ合って。

その艶音と、漏れる艶声は、その場に響いて…


あっ…
ダメだこのままじゃ…!

そう思っても、止められない。



ねぇ…今までどうしてた?

キスの止め方がもう解らない…!




溜まり過ぎた欲情は、とうとう溢れて…
TPOも侵すほどに流れ出す。






「ほーらねっ。

私の言った通りじゃない」


突然、響き渡った声に…

私達はビクッと唇を離して、その声の方に視線を向けた!


そこには…

慧剛の婚約者、ロミと。


愕然とする聡の姿が…!!




取り繕う事も出来ない状況に、言葉を失くして…
思考は混乱して、何も考えられず…

ただただ狼狽えると。



「合鍵。
ケーゴが寝てる間に、わざわざ知り合いにまで頼んでっ。
せっかく作ってもらったってゆーのに…

イミないじゃんっ」


専務室の合鍵らしきものを、掲げた片手にチラつかせて…
使うまでもなかった状況を嘲笑う。


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