欲情プール
「っっ……」

真偽を判断してるのか、僅かな沈黙が流れて…


再び慧剛が口を開く。

「第一、見つかったらお互いの立場が悪くなるのを解ってて…
どうでもいい捨て駒じゃなきゃ、こんな場所でキスなんかしないだろ」


「……っ、ふう、ん…

だってさ。
今の話で、自分の置かれてる惨めな状況がわかった?

わかったなら自分から会社を辞めて!
辞めないなら婚約妨害で訴えてやるからっ!」


そのコの攻撃が、漸く私に向けられたけど…

心はますますの灼熱地獄に堕とされて。
その苦しさで、声を発する事も出来なかった…!




それぞれ全員が悪くて。
だから現在進行形が責められて。
そして権力やお金がある方が強くなる。



「ふざけるなァっ!!
2人して何なんだっ…!」

そこで聡が怒鳴り込む。


「だいたい!先に近付いて来たのはそっち(露美)だろうっ!

自分達の痴話事に俺達を巻き込んでっ…
妻を侮辱するにも程がある!!
人を、何だと思ってるんだっ!

あんた(慧剛)みたいな立場のある人間がっ、
こんな事してタダで済む訳ないだろっ…!
こっちこそ訴えたい気分だ!」


< 166 / 289 >

この作品をシェア

pagetop