欲情プール
その途端!
心の傷みどころじゃなくなった私は…!


「やめて聡っ!
私が悪いのっ…!
私がっ…

それを解ってても側に居たかったの!
解ってて抱かれたかっただけなのっ!
それでも私はっ…


慧剛を愛してるの…!」



ごめんね、聡…

こんな私を、裏切った私を、
せっかく庇ってくれたのに…!


だけどその憎しみの矛先を、慧剛から私に向けたかった。


そして狙いはもうひとつ。


衝撃を受けてる聡から、視線をスッと隣に移すと…

慧剛もまた、聡と同じような顔で私を見ていて。
だけどすぐに表情を戻して、戸惑いがちに視線を逸らした。


大丈夫だよ、慧剛。
愛を枷にして縋ってる訳じゃない。

ただね?


このコを繋ぎ止めるのに必死だったんだろうけど…
そんな簡単に手に入ったら、このコには逆効果でしょ?

だから。



「例え仕事を辞めても、私はずっと諦めない。
聡の時と同じく、最後は私を選んでくれるって信じてる。

あなたなんかに、渡さない」


2度も私が選ばれるのだけは、許せない筈のあなた(ロミ)は…
慧剛を手放せなく、なるでしょう?


慧剛の選んだ道は、私が守る。

どうか伝わって…
どうか最後まで、私にサポートさせて…?


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