欲情プール
株式会社 大崎不動産
専務取締役 大崎慧剛…

名刺の記載内容を映して。


「え、専務?
しかも大崎って…」

ただの従業員だと思ってたから、思わず驚きの声を洩らすと。


「ええ。
大崎不動産のバカ息子、おおさきけいごです」


バカ息子って…

その人、大崎さんは、私からのイメージに気付いたのか。
だけど逆手に取って、やんちゃな笑顔で明るく答えた。



大崎不動産、と言えば…

住んでるマンションのビルオーナーってだけじゃなく。
この数年、急成長を遂げたやり手の会社だ。

その業界では、まだまだ若い会社だけど。
確か、今の専務になってから業績が格段に伸びて…
あちこちに業務拡大して、かなり儲かってるって小耳挟んだ事がある。


その噂の専務だから、バカ息子なんて事は当然ない。

ただ。

そのワイルドな容姿から、少しチャラく見えて…
とても、やり手の専務だとか御曹司だとは思わなかった。

それに…

「…専務さん自ら、ハローワークの登録に?」


「まぁ、個人的な求人なんで。
募集してるのは、俺の秘書です。

どうですか?
やってみませんか?」


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