欲情プール
改めた問い掛けに…


ー「良かったら、
俺の所に来ませんか?」ー

そう聞かれた事を思い出す。



「…どうして私に?」


「だから。
さっき隣で、あなたがWEB系の企画営業をしてたって聞こえて…
だったらヒアリング能力やコミュニケーション能力も高いだろうし。
PCスキルはもちろん、その知識を活かしたアドバイスも貰えるかなって」


「別に、大して…
お役に立てるとは思えませんけど」


「けど俺、人を見る目だけは長けてるんで。

あなたの事を見かけるたびに、仕事出来そうな人だなって」


「出来るかどうかは…
ただ、責任感はあるつもりです。

でも秘書なんてやった事ないし…」


「じゃあ試しにやってみましょう!
もし無理だと思ったら、辞めてもらっても構わないんで。

とりあえず、そんな身構えなくても大丈夫です。
まぁ、俺の相棒みたいな感覚でいてくれたらいいんで!」


そう言いながら大崎さんはまた、やんちゃな笑顔を覗かせる。


その笑顔に絆されて…

何より。
この転職に厳しい時期にその申し出は、正直ありがたかった。


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