欲情プール
それでも時間が解決すると思っていたのに、茉歩は日に日に苦しそうで…

だったら俺が慰めるまでだ。


そう、ここで別れられたら元も子もない。

それを言い訳のようにして、出張名目の息抜きに連れ出した。


日帰りで済む業務を敢えて一泊にしたのは…
今なら二の足を踏んでた策略も、茉歩の救いになるかもしれないと思ったからで。

身体の関係になるには絶好のチャンスだった。


だけど策略とは別に、胸はバカみたいに騒いでて…

業務を早々と片付けた俺は、茉歩をその土地の名所とか美味いもの巡りに連れて行った。


その甲斐あってか。
久しぶりの笑顔と楽しそうな姿に、ホッと胸を撫で下ろすと…


「私が同行した(来た)意味、ありました?」

最後に寄った店で、もっともな事を突っ込まれる。


「あったよ。
茉歩の明るい笑顔が見れた」

「…困ります。
そんな事の為に、会社の経費を使わないで下さい」

でもそこは当然自腹に決まってて。
その理由を…


「茉歩のそんな笑顔を見るとさ。
それが俺の活力になって、仕事効率がかなり上がるんだ」

そう策略の言葉に繋げたけど。
実際、嘘じゃなかった。
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