欲情プール
正直、夫婦の問題に他人は介入出来ないと思う。

だけど…
そう言ってくれた専務の心意気が嬉しかったし、心強く感じた。


何より。

誰にも相談出来なかった事を話せて、心が少し軽くなった気がした。



「…ありがとうございます。
専務って、ものすごく面倒見がいんですね。

私、専務に拾われて良かったです」


「拾われて?
じゃあ俺は、俺の秘書には勿体無い逸材を拾えて幸運だな。

正直、驚いてるんだ。
仕事が出来るとは睨んでたけど、一週間でここまでマスターするとは思わなかったし。
すごく助かってるよ、ありがとう」


「そんなっ、褒めすぎです…!
それにまだまだこれからです」

でも仕事を評価されるのは、素直に嬉しい。
しかも、そんな風に感謝の言葉を貰えると…

今の弱ってる私には、余計心に染み込む。



「だけどな、茉歩。

茉歩は頑張り過ぎたり、クールに装ったり、極力弱みを見せないだろ?

そんなんじゃいつか潰れるし…
相棒の俺には、もっと甘えろ?」


とても優しい眼差しで、続いた言葉に。

心が揺さぶられて、思わず泣きそうな気持ちになった…!


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