欲情プール
幸せな思い出は…

どうしてこんな時に浮かんで来て、
心をめちゃくちゃに切り裂くんだろう!


いっそもう、ショックで記憶喪失になれたらいいのに!




苦しみを引き連れて。
気が狂いそうな混乱と、受け入れられない放心を繰り返して…

気付けば、3時間が経っていた。


少し落ち着くどころか、ますます耐えられなくなってた私は…
キッチンに向かって、ワインを取り出した。

アルコールに助けてもらおうと、それを持って部屋に戻る途中…

そっと、聡の部屋を覗いた。


そして飛び込んで来た、呑気に眠る姿に…
心が更に打ちのめされる!



酷いっ…!!

人をこんなに苦しめて!
こんな最低な事しといて!

何で平気に眠れるのっ!?


もうイヤっ!!



ねぇ、神様っ…
一生のお願いです…!

どうか…
どうか私から、聡の記憶を全て奪って下さい!


部屋に戻って、ワインを暴飲しながら…
何度も何度も、そう懇願した。


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