欲情プール
「だったら私も同罪です。
残業が減って助かります。

ただ、前にもお話しした通り離婚の危機なので…
食事のお誘いは、もう少し控えてもらえると助かります」


「どうして?
そんな時だからこそ、焦って追っかけるんじゃなくて、逆に引いた方が効果的だと思うけど。

男って生き物はさ。
自分から振っときながらも、その女があっさり受け入れて…
ましてや他の男と仲良くしてたら、取り戻したくなるもんだよ。

だからいっそ、ヤキモチ作戦狙ったり?」


専務はそう悪戯っぽく笑ってたけど…

実際その通りかもしれないし、私の策略とも噛み合ってる。

それに。


ー「俺に出来る事があれば力になるよ」ー

我儘や色んな理由で誘われた続けた食事は、専務なりの協力だったとか?



「…そうですね。
じゃあこれからも誘って下さい。

それに私。専務の我儘、好きですよ?」

だってそれは、相手へのさりげないフォローだと思うから。


私の言葉を受けた専務は、少し驚いた顔をして…
すぐにハハッと、照れくさそうに笑った。


どうしよう…
その照れくさそうな笑顔も、けっこうツボかも。


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