欲情プール
アルコールの所為か、いつしか眠ってた私は…

目覚めて、記憶があることに絶望する。


そんなの当たり前だけど…
それくらい、切羽詰まってたんだと思う。



だからって仕事は休めない。
だって今日は、最後の出勤日だから。


私は、微塵も収まらない昨日のショックと暴飲のダメージを引き摺りながら…
聡が起きる前に家を出た。




バカみたい…

サプライズの矢先、こんな事になるなんて。

こんな土壇場で、退職の撤回する訳にもいかないし…

ほんと、バカみたい…!


情けなさすぎて。
マンションのエレベーター内なのに、不可抗力に涙が零れた。


私らしくもない…
なんてレベルの状況じゃないか。

早朝で誰にも見られてないのが、せめてもの救いだ。


だけど4階から1階に着くのなんて、あっと言う間で…
慌てて、化粧を落とさないように涙を拭ったのと同時、エレベーターの扉が開いた。


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