欲情プール
突然のアクションと、肌を覆った熱い体温に、息を呑むほど驚いて…!

だけどすぐに、それをしてる専務に視線を向けた!


「おはよう、茉歩っ…

シャワー浴びてくるから、
プレゼンを始める準備に取り掛かってくれ…」

その人は、強い視線で私を見上げて。
少し荒い呼吸で、ゆっくりと身体を起こした。


「専っ…
ふざけないで下さいっ!
そんな身体でプレゼンなんてっ…
とにかく!今から病院に行ってもらいます!」

掴まれたままの手を解こうとして…

その手が、更にぐっと掴まれる。


「茉歩。

これは命令だ。
準備に、取り掛かってくれ」

有無を言わさぬような制する目で、私の意見を一蹴する。



「っ…

出来ません。
まずは病院に行って下さい。

それが嫌なら救急車を呼びます」


例えクビになっても。
こんなに高熱の専務を見過ごす訳にはいかなかった。


折れないと踏んだ専務は、困ったように溜息を吐き捨てる。


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