欲情プール
「…

食事の理由が解ってるので、遠慮させて頂きます」


専務の事だから…
元気のない私にまた気付いて、慰めようとしてくれてるんだ。

だけど、いつまでも甘えてばかりいられない。


「どんな理由?

俺は、もっと茉歩と一緒に居たくて誘ったんだけど…
この我儘はダメだった?」

なんて、不敵な笑顔で。


もうほんとに!
この人の軽い発言には、いいかげん呆れ果てる。

なのに。


何でこんなに、嬉しいんだろう…!



「じゃあ…
いつものイタリアンなら、いいですよ?」


「ほんとか!?
よし、やる気出て来た。
残りの仕事、頑張るゾ!と」


うそ、可愛い…!
今さらこんな事で頑張っちゃうんだ?

しかもそれ、すごく嬉しいんだけど…



…あ!


敵わないな、この人には…

私の憂鬱を吹き飛ばす、天才だ。



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