欲情プール
そんなある日。

漸く聡から専務へと、嫉妬の目が向けられた。



「あ、あのさ…
今朝、茉歩んとこの専務さんと、…挨拶したんだけどさ…」


「え、そうなの?」

専務からそんな事、ひと言も聞いてないけど…


「うん、その…、びっくりしたよ。
役職柄、もっと年配の人だと思ってたからさ…

それがあんな若くて、男前でっ……」

何だか、やたらと青ざめてる聡。


「そのっ…
2人で変な関係とか、なったりしてないよな…?」


「っ、えっ?」


思わずドキリとした。

だけどキスは未遂で終わったし…!


「っ、なる訳ないでしょ?

それに…
もう聡が気にする事じゃ、ないんじゃない?」


「そうだけど…!
言える立場じゃない事くらい、解ってるけど…

別に茉歩への気持ちが、無くなったって訳じゃないんだしっ!」


なにそれ、ズルい…!

これだけ傷付けといて、言える事!?


それでも…
聡に戻って来て欲しいなら、喜ぶ所なの?


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