欲情プール

「おやすみ、聡」

2人で過ごす時間は苦痛で。
早めの就寝を装って、自分の部屋に向かおうとすると…


「待って、茉歩っ…」

不意に腕を掴まれて。

その体温に、不快感が押し寄せる。



「そのっ…
久しぶりに、一緒に寝ない…?」


瞬間。
鳥肌が立ちそうになった自分を、必死に抑えた。


「ごめん、離して…?
今はまだそんな気持ちには、なれないよ…」


あのコに触れた手で触られたくない。
あのコを抱いた身体に包まれたくない。

あのコを愛して、私を裏切った聡を…
受け入れられない!



「そう、だよな…

でも別にっ、何かしようと思った訳じゃなくてさっ…
ただ、茉歩と一緒に眠りたかっただけなんだけど…

それも、嫌…?」

悲しそうな聡に、
私の心まで疼くけど…


「ごめんね、聡…

そんな簡単には切り替えれないし…
そんな簡単には、傷も癒えないよ」


「そんな事わかってる…!
だけどこのまま距離を空けてたら、俺は傷を癒す事も出来ないだろっ?」


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