欲情プール
溺れる身体
「おはようございます」
「おはよう、茉歩」
あれから数日。
ー「割り切った関係で、1度だけ」ー
その言葉通り…
専務の態度は、至って今までと変わらない。
だけど聡との生活では…
ー「似たような立場になれば、苦しみは半減するんじゃないか?」ー
その言葉通り…
息苦しさが薄れてた。
お互い様だから、許せない気持ちが軽くなったのか…
それとも。
私の気持ちが他にあるから、夫婦問題がそこまで気にならなくなったのか。
寧ろその後ろめたさから、聡には優しくなれてた。
「んっ…?…っどうした?」
思わず見つめてた私に気付いて、専務が軽く戸惑う。
「あ、いえ、考え事をしていて…
すみません」
今まで見慣れてる筈の専務のスーツ姿が、
今ではカッコ良過ぎて見惚れてしまう。
しかもスーツに包まれてるその身体は、逞しくて。
あの夜その身体に抱かれてたなんて…
そう思うだけで、私の全てがジンと疼く。