欲情プール
どうしよう…
切なくて堪らない…!
「茉歩?
なんか今日、元気がないけど…
仕事で何かあった?」
その感情を引きずってた私に、聡から心配の声が掛かる。
「あ…ううんっ。
ちょっと疲れてただけ。
それより、おかわりはっ?
梅雨とはいえ暑くなって来たから、夏バテに備えてしっかり食べてよ?」
最低だ私…!
こんな感情を家庭にまで持ち込んで、それを聡に心配させてるなんて。
「ありがとう。
おかずも栄養満点だし、茉歩のおかげで頑張れるよっ。
じゃあ代わりにさっ、疲れてる茉歩に後でマッサージしてあげるよ!」
「っ、聡…
…ありがとう」
まだ触れられるのに抵抗があるとはいえ…
その優しさに心が痛む。
どうかしてた…!
聡との関係を修復させる為に、同じ過ちを犯したのに…
これじゃ本末転倒じゃない!
しっかりしなきゃ…
欲なんて誰にでもあって。
それに蝕まれても、理性や他の欲で補って…
そうやってコントロールすればいいし、
私はそうするのが得意だった筈。
そう、こんな欲…
強い意志で抑え付けてしまえばいい。