サイドシー
「またまたダメでした。選ばれたのは、やはり友達の方でした。私は、直ぐに走って、またまた店に行った。店はあり、店主はいた」


男は、大笑いした。しばらく笑っていた。僕も笑った。男が笑うのを止めた時に、また話始めた。

「私は店主に結果を伝えた。その後、私は……」

男は、咳こんだ。咳が止んで言った。

「よく覚えていないんですよ」

僕は、言った。

「……覚えていない?

もう一度、寿命と引き換えに彼女に告白をしたのでしょ!?

そして、ついに彼女は友達より、あなたを選んだ!

その彼女こそが、あなたが御見舞いに来ている、あの患者さんですよね?」


男は、僕のことをじっと見て言った。

「あなたは、地球の人口の男女比を知っていますか?」

僕は、黙った。何かを言おうとしたが言葉が、なかなか出てこなかった。

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