蒼の王様、紅の盗賊
「───捕まったのだよ。
今日、アスラは....この子たちを助けるために」
「....捕...まった?」
バルトの思考は、その言葉に停止した。
頭が真っ白になり、正常に物が考えられなくなり
意識が、何処か遠くに飛んでいってしまったような感じになった。
そして───
停止した思考再び動き出した時、バルトの顔は蒼白した。
嫌な汗が体を、じんわりと湿らせた。
「つ....捕まったって、どういうことだよッ!?」
「....言葉の通りじゃ。
アスラは今日、自警団の奴らに捕まった。
この子たちを....庇ってな」
ジルは、蒼白した顔で迫るバルトに敢えて目を合わせずに
さっきから何が起きてるか分からなくて、ただ立ち尽くしていた子供たちに目を向けた。
「.....ッ!?
じゃ...じゃあ、じいさん!
今アスラは、今あいつは何処に居るんだよ!?」
「.....恐らく、城の地下牢じゃろう。
罪人は皆、そこに収容されるからの。あの子も、そこに居るはずじゃ」
迫るバルトの言葉に、子供たちに向けた視線を
今度はバルトの方に向け、ジルは答える。
ジルの推測の中で、アスラが今居るであろう場所を。
「────分かった。城の地下牢に、アスラは居るんだな?
....ありがとよ、じいさん」