蒼の王様、紅の盗賊
――――ッ。
男は、そう冷酷に言い放つと同時に懐から銀色に光る何かを取り出した。
その銀色の煌めきは、美しく....そして鋭く光る。
それは、小さな短剣の煌めき。
綺麗に磨き上げられた刄が、少女へと向けられる。
そして――――。
――――ザクッ。
肉を裂く鈍い音が、辺りに響く。
赤い飛沫が、舞い飛ぶ。
「――――ッ」
自らの身体に突き立てられた刄に、少女は声にならない悲鳴を上げた。
少女は顔は一気に苦痛に歪む。
「貴方のご両親も、同じ顔をしていました。
今の貴方と」
「―――うる...さい」
浴びせられる言葉に、少女は声を振り絞った。
そして、睨むように男を見上げて言う。
「お前は.....最低の人間だ.....」
絞り出されたその言葉には、少女のありったけの感情が籠められていた。
「――――小生意気なガキだ」
――――ザンッ。
睨み続ける少女に、男は瞳により一層冷酷な光を宿し
彼女の身体から、突き刺さった刄は引き抜いた。
「あッ....」
今まで刄が突き刺さっていたはずの場所から、血が流れ出す。
少女の服が、みるみる赤に染められていく。
「――――これで、最後だ」
男はその少女の姿に、面白そうに顔を歪めると
再び彼女へと振り下ろした。