蒼の王様、紅の盗賊
瞳に映る仲間の名を呼ぶ。
胸の中に温かな安堵が込み上げてくる。
自然とレイアの顔が綻んだ。
「二人共、遅かったじゃない。
心配したじゃないの」
「すまない。
この馬鹿のせいでな、仕事が滞った」
「馬鹿って、ひでぇなぁ.....おっさん。
レイアも、何かおっさんに言ってやってくれよ」
闇の中の人影は、紛れもないクロアとバルト。仲間の姿。
呆れたように腕を組み、バルトを見るクロア。
そんなクロアを見て、ワァワァ喚くバルト。
見慣れた二人のやり取りに、レイアも思わず加わる。
「馬鹿!あんたはいつもいつも無茶ばっかりして。
今回ばかりは団長の言うことが正しいわ」
そう言いレイアはバルトの頭を小突く。
「いってぇ....レイアまでおっさんと同じこと言うのかよー」
そう小突かれた頭を擦るバルト。
「今回ばかりってな.....」
そしてレイアの言葉に、一人地味に傷付くクロア。
闇夜の中で、三人は無事に再会を果たした。
いつもと同じ。
そのことに何故か、猛烈な安心感が押し寄せて止まなかった。
「―――お疲れさんじゃった、団長さんよ。それに君も」
静寂なる夜の下、再会を果たす三人にジルは優しげな笑みを含んだ声をそんな三人に掛ける。