蒼の王様、紅の盗賊








集まる俺と同類であるその最低の輩。
その数は次第に増えていく。
虫けらのごとく沸き上がるそれは、取り留めもなく増殖していく。



このままでは、どうしようもなくなってしまう。

そう危機を感じ始めた俺と仲間はどうにかしなければと、無秩序な者達の集団に秩序という枷を与え一つに括り上げることにした。
秩序とは言っても、無秩序な者達の中のものであるから、世間一般の秩序とは遥か遠くかけ離れているのだが。









築き上げられた世界の中で最も醜悪で、底辺の集団。
そして何時しか、その集団を率いトップに立っていた俺。




今考えても、決して誇れることじゃない。
だけれどこの時の弱い俺には拒むことも出来なくて、拒む理由も無かった。

この時、俺は世界で最も醜悪な存在だった。













そして人はそんな俺達のことを、軽蔑の意を込めて"廃翼の盗賊団"と呼んだ。








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