蒼の王様、紅の盗賊







「.......甘くはないぞ」



「判ってるわ。
でももう決めたんだもの」



「本当に頑固な姫だな。
面白い、お前の決めたその道に俺も乗っかってみるとしよう。
どうなるか見物だな」



「あら?どうかなるのなら貴方も一緒よ」





ッ。
思わず笑いが溢れてしまった。


ああ言えばこう言う。
本当に生意気な小娘だ。

だが。





「面白い。
.......とことん付き合ってやる」



まだこんな俺でもやり直せるのか?
廃翼と蔑まれたこの翼でもまだ飛び立てるのか?

判らなかった。
だけれど、俺の心はもう前を見ていた。
前に進もうとしていた。









「ありがとう!
私、絶対に立派な盗賊になる!」



そう言う彼女の笑顔は、俺にとって生涯忘れられないものとなった。






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