蒼の王様、紅の盗賊
 
 
 

 
 
「あぁ、そうだ」




「えぇ、まじかよ!?

あの国の蒼の王様とか呼ばれてる奴って、俺ら盗賊のこと目の敵にしてるって有名じゃんか!
あの国で仕事して捕まりでもしたら、即打ち首ものだぜ?
.......っ。
考えただけでも首筋が寒くなるぜぇ」





盗賊たちの彼等の間では、もう言わずと知れた『蒼の王様』の噂。

その噂を知っているバルトは、その言葉に驚きの声を上げる。







「あぁ。だから今回の任務は失敗は出来ん。
バルト、お前もいつものような下らん失敗はするな?
軽率な行動は厳禁だ。
お前はいつも馬鹿みたいに後先考えずに突っ走るからな」



「ば、馬鹿みたいにって―――」



「そうよ?
バルト、あなたいつも馬鹿みたいに詰めが甘くて捕まりそうになるんだから。
気を付けなくちゃ駄目よ?」




クロアの言葉に、レイアも続く。






「二人して......馬鹿馬鹿って、馬鹿って言う奴の方が馬鹿なんだからなー!
何だよっ!俺様だってやるときゃやるんだぜ?!」



バルトは口を尖らせ、拗ねたような反応をする。







「どうだかな?お前はいつも肝心なとこが抜けている気がするが。

───。まぁいい。
任務のため明日の朝には此処を発つ。準備しておけ」



「分かったわ、団長」




口を尖らせたまま、子供のように拗ねているバルトを軽く無視をしてクロアは、レイアへと言葉を向ける。






「おっちゃん、俺のこと無視かよ!
人でなしー!鬼ー!」




 

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