蒼の王様、紅の盗賊
「じゃあ俺が迎えに行くぜ♪
愛しのアスラと久々の再会だもんな。
な?いいだろ、おっちゃん?」
その名はバルト曰く、愛しのアスラ。
ワインレッドの髪に綺麗な紅の瞳の少女。
クロア、レイア。
そしてバルトにアスラ。
この四人こそ、この凰翼の盗賊団の創始者であり運営する者達であった。
「───いいだろう。
まぁ、精々アスラにまとわりついて嫌われないようにするんだな」
「アスラは恥ずかしがり屋なだけなんだよ、おっちゃん♪
恥ずかしがり屋で、素直に俺の愛を受け入れれないだけで────」
「さぁ、出発に備え準備を。では解散だ」
「って、おっちゃん!
また無視しやがった.....」
更けゆく夜に月夜の古城。
そして響くバルトの叫びに、夜はただ着々と更けていった。