蒼の王様、紅の盗賊
〜2〜







「.....みんな、集まった?」




アスラがジルと話している頃。
そんな二人のすぐ側.....つまり廃墟と化した建物から出たすぐそこの場所でこそこそと集まる小さな影があった。




「みんな居るよっ♪」


「しーっ!!
大きい声出すなよ!アスラたちにばれちゃうだろ!」




こそこそと集まる小さな影。
それはさっきアスラたちの元から去っていったはずの子供たちだった。





「ねぇねぇ、本当にやるの?さっき言ってたこと」



皆を仕切るリーダーらしき子に、他の子が恐る恐る手を挙げる。





「あったりまえだよ!
だって皆も鬼ごっこばっかじゃ飽きただろ?
皆もやるだろ?ねっ?」



その言葉にリーダーらしき子は楽しそうに胸を張って答える。





「でも、アスラにばれたら怒られちゃうよぉ....」


「大丈夫だって!
見付からないようにすればいいんだよ!簡単さ♪」



「でもぉ.....」




会話を繰り広げる子供たち。
リーダーらしき子を中心に輪になってしゃがみ込み、周りに丸聞こえの内緒話をする。

話の内容は、ある計画。

彼等がアスラたちの元から去ってから話し合って決めた大人たちには内緒の計画。



 



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