蒼の王様、紅の盗賊
「アスラの跡をつけるなんて無理だよぉ....」
そう。
彼等の企む大人には内緒の計画......それは。
「大丈夫だよ!
アスラがお仕事してるのをちょっと見に行くだけだもん」
それはアスラの追跡。
アスラに遊んでもらえなくなった彼等は、何か面白いことはないかと模索。
ッ。そして行き着いたのがこの悪巧み、いや計画だった。
「うーん、そうだけどぉ。
あ、そういえば───アスラって何のお仕事してるんだろう?」
「んー....分かんない、でも行けば分かるよ!
あ、静かにして!
.....ほら、アスラが出てきた!」
リーダーらしき子は暫く唸って考え込む。
でも答えが見付からないうちに廃墟の入り口からいつものマントを身に纏ったアスラが出てきて視線を移した。
「よし、作戦決行だ!
皆、ちゃんと着いて来いよ?」
そして質問の答えも曖昧なまま、街へと向かうアスラの後をそのリーダーらしき子が追い掛ける。
「ま....待ってよぉ!」
パタパタパタッ。
その後を釣られるように他の子供逹の小さな足音が追い掛ける。
街へ向かうアスラの跡を追う小さな影。
子供たちの内緒の計画は楽しそうに無邪気に、そして迫る危機も何も知らないまま、今....決行されてしまった。
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