蒼の王様、紅の盗賊
〜3〜
辺りに満ちる光。
行き交う人々に、活気に溢れる人の声。
ザワッ。
そう、ここは街の中。
蒼の王様が治めるこの国の全てが集まる大きな市場。
物を買う者も売る者も皆此処に集まる。
そして.....盗賊も。
「───さぁて。
今日の獲物は.....っと」
溢れる人の中に居る一人の盗賊、つまりアスラは深く被ったフードの下で不敵に微笑む。
フードの下に隠れた紅い瞳。
鮮やかなその紅が今日もまた獲物を求める。
「よし、今日はあれに決めた」
辺りを物色。
素早く獲物を一点に定めたアスラはフードをもう一回深く被り直すと、人の波に合わせてゆっくり獲物へと近付く。
ッ。
「へい、いらっしゃい!何をお求めで?」
ゆっくりと、そして自然に近付き店の前に止まった彼女に店主の男は何の疑いもせずに話し掛ける。
「いや、ちょっと色々と見せてもらおうとね。
お兄さん、何かお勧めはあるかい?」
アスラは言う。
相手は、普通の中年のおじさん。
そのおじさん相手に『お兄さん』とは....なかなかアスラも煽て屋である。
「おぉ、お客さんよ?
なかなか煽て上手だねぇ。
じゃあお兄さん、お客さんにはサービスしちゃおうかな?ガハハッ!」
アスラの明らかなお世辞に店主はそういいながらまんざらでもないような顔で答える。
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辺りに満ちる光。
行き交う人々に、活気に溢れる人の声。
ザワッ。
そう、ここは街の中。
蒼の王様が治めるこの国の全てが集まる大きな市場。
物を買う者も売る者も皆此処に集まる。
そして.....盗賊も。
「───さぁて。
今日の獲物は.....っと」
溢れる人の中に居る一人の盗賊、つまりアスラは深く被ったフードの下で不敵に微笑む。
フードの下に隠れた紅い瞳。
鮮やかなその紅が今日もまた獲物を求める。
「よし、今日はあれに決めた」
辺りを物色。
素早く獲物を一点に定めたアスラはフードをもう一回深く被り直すと、人の波に合わせてゆっくり獲物へと近付く。
ッ。
「へい、いらっしゃい!何をお求めで?」
ゆっくりと、そして自然に近付き店の前に止まった彼女に店主の男は何の疑いもせずに話し掛ける。
「いや、ちょっと色々と見せてもらおうとね。
お兄さん、何かお勧めはあるかい?」
アスラは言う。
相手は、普通の中年のおじさん。
そのおじさん相手に『お兄さん』とは....なかなかアスラも煽て屋である。
「おぉ、お客さんよ?
なかなか煽て上手だねぇ。
じゃあお兄さん、お客さんにはサービスしちゃおうかな?ガハハッ!」
アスラの明らかなお世辞に店主はそういいながらまんざらでもないような顔で答える。
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