蒼の王様、紅の盗賊
〜2〜
此処は、先程の騒ぎの街中から少し外れた所に在る静かな人気のない、ある場所。
「────ただいま」
そのある場所に、先程の騒ぎの根底となるフードの紅い瞳の人は、片手に袋一杯の何かを持って立っていた。
「わぁ、アスラだー!
みんな、アスラが帰ってきたよ!ねぁ、みんなぁ!」
紅い瞳のフードの人の「ただいま」の声に、目の前にポツンと建つ今にも崩れてしまいそうなボロボロの廃墟の中から一人の子供が顔を出した。
最初、少し怯えたような様子をした子供だったが、声の主を目で確認して張り裂けんばかりに声を上げた。
「....そんな叫ばなくても聞こえるだろ?」
自分の姿を見て、はしゃぎ叫ぶ子供にアスラと呼ばれた紅い瞳の人は、フードの下に温かな笑みを浮かべる。
フードの下に浮かぶその笑みは、先程とは別人ではないかと疑う程に温かさを感じるものだった。
「───おぉ、アスラ。
帰って来たか....心配したぞ」
外からの叫び声が聞こえたのか、一人また一人と顔を覗かせる。
そしてそのうちの一人である、長い髭を蓄えた老人が杖を突きながら表へと出てきた。
「あんな雑魚たちに捕まる程、間抜けじゃないさ。
それより、あんたも元気そうでよかったよ。ジル」
此処は、先程の騒ぎの街中から少し外れた所に在る静かな人気のない、ある場所。
「────ただいま」
そのある場所に、先程の騒ぎの根底となるフードの紅い瞳の人は、片手に袋一杯の何かを持って立っていた。
「わぁ、アスラだー!
みんな、アスラが帰ってきたよ!ねぁ、みんなぁ!」
紅い瞳のフードの人の「ただいま」の声に、目の前にポツンと建つ今にも崩れてしまいそうなボロボロの廃墟の中から一人の子供が顔を出した。
最初、少し怯えたような様子をした子供だったが、声の主を目で確認して張り裂けんばかりに声を上げた。
「....そんな叫ばなくても聞こえるだろ?」
自分の姿を見て、はしゃぎ叫ぶ子供にアスラと呼ばれた紅い瞳の人は、フードの下に温かな笑みを浮かべる。
フードの下に浮かぶその笑みは、先程とは別人ではないかと疑う程に温かさを感じるものだった。
「───おぉ、アスラ。
帰って来たか....心配したぞ」
外からの叫び声が聞こえたのか、一人また一人と顔を覗かせる。
そしてそのうちの一人である、長い髭を蓄えた老人が杖を突きながら表へと出てきた。
「あんな雑魚たちに捕まる程、間抜けじゃないさ。
それより、あんたも元気そうでよかったよ。ジル」