蒼の王様、紅の盗賊
これで恐らく子供たちが咎められることはないだろう。
────。
さて、後はこの自分の身をどうするかだけだ。
そうアスラは、自分に背を向け走っていく子供たちを遠目に心の中で思った。
「───おい、お前たち!
そこで何をしている!?」
子供たちが遠くに見えなくなった頃、ようやく自警団が騒ぎを嗅ぎつけて現れた。
子供達が去った後でよかったとアスラは自分の身の心配は後回しに胸を撫で下ろした。
「自警団様、泥棒を捕まえたんだ!こいつだ」
ドンッ。
男はアスラを自警団へと突き出す。
当然ながら扱いは荒い。
その反動でアスラはバランスを崩し掛ける。
「何!?
......ハッハ!この国で盗みを働くとはいい度胸だ。
───連行しろ!」
バランスを崩しよろけるアスラを自警団の兵たちが拘束する。
手を縄で縛られ兵たちが取り囲む。
........。
そんな中で、アスラは抵抗もせずただこの状況から抜け出す手立てを頭の中で考えていた。