蒼の王様、紅の盗賊
「そうだね、ジルじいちゃん!
きっと....大丈夫だよね!」
「あぁ....だからお前たちは安心していなさい」
ジルは、自分の中の込み上げる想いを必死に抑え込め
顔には僅かに笑みを浮かべて言った。
「───さぁ、もう行きなさい」
「うん!!」
子供たちは笑う。
ついさっきまでの不安の色は一切ない
いつもの心からの笑みを浮かべ、身を翻しジルに背を向けて
それから遠くに走って行く。
その姿を、遠目に
ジルはただただ、晴れ渡る爽やか過ぎる青空に立ち尽くしていた───。