隣のマキオ
適当にパンを幾つかカゴに放り込むと、陶子は、そそくさとレジを済ませた。

雑誌のコーナーを見るとマキオは、もういなくなっている。

あれ?

陶子は、慌てて財布をしまうと店を出た。

「とーこちゃん」

店の前でデニムのポケットに手を入れたマキオが立っていた。

「一緒に帰ろ」

マキオは、そう言ってニコッと笑った。

うわー、立ち姿、超カッコいい…

陶子は、マキオのスタイルの良さに改めてときめいてしまった。

なるべく平静を装いながら並んで歩く。

ほんの5分ほどの距離だったけれど、こんなイケメンと歩くのは、少し鼻が高かった。

ダメだ…、もう惚れちゃってるよ、私…

陶子は、この先の悲しいであろう結末に向かって歩いている気分だった。
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