隣のマキオ

「お疲れ様でーす」

「お疲れ〜」

今日は、特に残業もなく約束もなかったので、帰って料理でもしようと早めに退社した。

今までずっと母親になんでもやってもらっていたありがたみを感じる。

とりあえず、お米は、こないだ買ったからぁ、肉と野菜。あ、魚にしようかな？

帰りの電車の中であれこれ考える。

多めに煮物とか作って、隣にもっていっちゃったりして！なとどアホな妄想を繰り返し、ひとりでちょっとニヤついた。

そういえば、あの女の人って誰なんだろ…

もしかして一緒に住んでるとか？

綺麗な人だったよなあ、一度見たら忘れな…

「え？」

陶子は、思わず声を出してしまい、慌てて口を塞いだ。

目の前で座って本を読んでいる。

朝の彼女がー