隣のマキオ
陶子は、なんだか騙されているような気分になってきた。

もしかして、お金が目的?
身体だったら、もっと若い子を狙うだろうし。

けれど、それを口に出すのが惜しいくらいに、マキオは魅力的だった。

少し考えて、陶子は賭けにでることにした。


「私さ、遊びで恋愛とかしてる時間ないの。もう30だし。真面目なお付き合いしかするつもりないから。遊び相手探してるんだったら、他を当たってくれる?隣だから、便利だと思ってるのかもしれないけど」

言いながら、顔や身体がかあっと熱くなってくる。

自分がこんなセリフを言うなんて!

陶子は、少し自分に酔ってしまっていた。
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