【完】『大器晩成』

眞姫はこういうときには隠そうとはしない。

「はい」

「わぁ! 握手して下さい」

眞姫は差し出された手を軽く握った。

「うわぁー指細ーい、めっちゃ白ーい」

あずにゃんが歓声を上げた。

「ありがとさん」

眞姫が女の子に人気があった理由の一つは、切れ長の目をしたクールな美貌であったにも関わらず、取り澄ましたところのない関西弁であったことも遠因であったらしい。

「うちのお店でカレー食べませんか?」

「秋葉原でカレー?」

眞姫の疑問符にあずにゃんは、

「カレーって片手ですぐ食べられるんで、人気あるんですよ」

と即座に返した。

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