【完】『大器晩成』


眞姫は少し迷ったが、

「実はね先生」

と、それまで漠然とあった仕事が減ってきたことへの不安を打ち明けてみた。

「なるほど」

麟太郎は瞑目し腕を組んで、何やら考えている様子であったが、

「よし、時間がないみたいだから」

要点だけは教える、と言った。

「困らない程度の技術だけ身に付けば、仮に陶芸で働くことになっても、即戦力になるはず」

あとは独学で学べ、ということらしかった。

眞姫は深々と頭を下げ、

「よろしくお願いします」

「その代わり、道は厳しいですよ」

麟太郎は凛とした口調で言った。

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