ハピネスダイエット!~ダイエットしてあなたを振り向かせる!~
「俺も中学で色々あってな。戻ってきた」
「戻ってきた?」
「ああ、前住んでたマンションにな」


 ということは、それは――

 色々な可能性が頭を過ぎる。戸津も、地元は同じだったはずだ。学校の行き帰りにばったり出くわすことも増えるのだろう。

 それだけならまだしも、家の周りでも会ってしまうのかもしれない。あり得ない。学校生活だけならまだしも、私の個人的な生活範疇にもこいつが入ってくるのか。

 私は感情を押し殺し、無表情で対応する。それが私にできる今の表情だ。ここで驚いたり、悲しんだりしたらつけ上がられる。


「いや、びっくりしたよ。お前が、この学校にいるなんて」


――それは私の台詞だ。というか、お前が私の学校生活に介入してきたんだ。

 そう言えたらどれだけ楽だろうか。ため息をつきたい気持ちも抑え、私は続きの言葉を待った。


「俺さ、中学行って、いじめにあったんだよ」
「え?」
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