ハピネスダイエット!~ダイエットしてあなたを振り向かせる!~
 そう決めたはいいものの、重い体は簡単には言うことをきかなかった。

 たった数分の筋トレで筋肉がぷるぷると震え、縄跳びも一回ずつの跳躍が膝に響く。

 それでもなんとか三十分のメニューをこなし終わると、私の心臓が悲鳴をあげていた。心(しん)の音が直接耳に聞こえるのではと思うほど強く早く動いているのを感じ、そして呼吸も荒れた。

 乾いた咳を何度かして、私は部屋の床に膝を着き、ベッドに上半身だけ突っ伏した。


――辛い、辛すぎる。


 それでも時計は無情にも五時半を指す。

 シャワーを軽く浴びて学校へ行く支度をしなければならない。時間もそんなに猶予はない。私は休む間もなく、動き出した。
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