ハピネスダイエット!~ダイエットしてあなたを振り向かせる!~
 どうしよう。私は肩で息をしながら、ゆっくりと歩く。ダイエット一日目にして挫折しそうだった。いや、でも挫折する訳にはいかない……。

 そう思うも、体は一日でがたがたになっていた。そのあと、走ったり歩いたりを繰り返しながら長い長い一時間を終えた。

 それからシャワーを浴び、夕飯はサラダだけ食べて、私は横になった。

 親にはそんなダイエットはやめろと忠告されたがやめるわけにはいかない。ただ疲れているはずなのにお腹が空きすぎて全く眠くならない。

 いつもなら夜食を食べる所だがここで食べたら一日の努力が水の泡だ。私はなんとか眠ろうと目を瞑る。だが、それから一時間かけて眠り、そして結局夜中の二時に目が覚めた。

 数分後――


――やってしまった!


 私は空になったお皿を見て、呆然とした。

 ここ数分の記憶をたどる。

 インスタントラーメンをおもむろに取り出し、手順通りに作っていく。

 出来上がったラーメンは湯気を立ち上げ、いつもは気にならないのに、味噌のにおいがした。それにふらふらと顔を近づけ、箸で麺を持ち上げる。

 麺が食べてくれと言わんばかりに、私を誘ってくる。口に含むと、炭水化物の味が口いっぱいに広がる。

 おいしい!!

 そこからはもう無我夢中だった。

 汁まで飲みほし、一気に眠気に襲われる。最高である。
 だがそんな時間もほんのしばらくの間だった。私は眠気に襲われながら、空になった皿を見て罪悪感に駆られた。


 やってしまった。食べてしまった。私の一日が全部全部ダメになった気がした。
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