ハピネスダイエット!~ダイエットしてあなたを振り向かせる!~
 翌週になり、なんとなく頬が痩せた気がした。今日はお兄さんが来る日だ。


 何か言ってくれるかな?


 期待半分で気持ちは浮かれる。

 そしていつも通り、手帳を確認して、いつも通り登校した。

 だけど、学校に行く足取りは重く、ここ数日授業中も集中ができない。黒板を書き映してはいるけども、内容は頭に入ってこない。終始頭にもやがかかっている。


 何かがおかしいと感じつつも、午前中の授業が終わる。

 私は春ちゃんに、また痩せたよと報告して、恒例のマスカット風味のゼロカロリーゼリーを取り出す。

 薄緑色の半透明のそれは、匂いだけは一人前に美味しかった。


 春ちゃんはそれを見ては毎日苦笑していた。それが何を意味しているのか、わかってはいた。けれど、体重計の数値が減っていく楽しみは何人も変えがたい。

 ゼリーを食べながら、たわいもない会話をする。そんな時だった。
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