ハピネスダイエット!~ダイエットしてあなたを振り向かせる!~
私は横から話しかけてきた男子を見上げた。名前は覚えている。だが、いい印象はない。むしろいい印象がある男子なんて殆どいないのだけども。
「話さない? そうなのか?」
「そうそう。ここだけのはなし相当なオタクって噂あるぜ」
あいつの――戸津の質問に律儀に答える同級生。こそこそ話しているつもりだろうが丸聞こえだ。
そうこうしているうちに二人が自己紹介を始め、嫌な予感が全身を駆け巡る。
「あ、俺、A組になった橋本大樹(はしもとだいき)。よろしくな」
「おう、よろしくな、俺は太川と同じ小学校だった戸津龍介。同じくA組だ」
「太川?」
私はその時初めて戸津の顔を見た。
――やめて!
そう喉から声が出そうになった。でもその声も出せずに、私はただ目を見開いて、目だけで訴える。
私が突然顔を向けた事に驚いたのか、もしくは私が般若のような顔をしたからか定かではないが、戸津は私を見て、一瞬言葉を飲み込んだのがわかった。
「いや……細川だっけ。久々で名前忘れちまって」
戸津は察したようで、言い直す。私はそれだけ聞くと、二人の間を通り、教室へ入っていった。
「話さない? そうなのか?」
「そうそう。ここだけのはなし相当なオタクって噂あるぜ」
あいつの――戸津の質問に律儀に答える同級生。こそこそ話しているつもりだろうが丸聞こえだ。
そうこうしているうちに二人が自己紹介を始め、嫌な予感が全身を駆け巡る。
「あ、俺、A組になった橋本大樹(はしもとだいき)。よろしくな」
「おう、よろしくな、俺は太川と同じ小学校だった戸津龍介。同じくA組だ」
「太川?」
私はその時初めて戸津の顔を見た。
――やめて!
そう喉から声が出そうになった。でもその声も出せずに、私はただ目を見開いて、目だけで訴える。
私が突然顔を向けた事に驚いたのか、もしくは私が般若のような顔をしたからか定かではないが、戸津は私を見て、一瞬言葉を飲み込んだのがわかった。
「いや……細川だっけ。久々で名前忘れちまって」
戸津は察したようで、言い直す。私はそれだけ聞くと、二人の間を通り、教室へ入っていった。