興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
★☆★
素直じゃないって思いながらも…ジワジワ浮かれていた。完全に浮かれ始めていた。今まで生きて来た中で一番浮ついていた。凄くフワフワしている。
きっと今まで親密に?二人きりで居た事も無かったし、話した事も無かったからだ。
だから、何もかも真新しくて新鮮で…。誤解が解けた反動もあるのかも知れない…。

ふぅ。また水曜にもご飯…。
あ、いけない。
忘れない内に課長に電話をしなくちゃ。
番号にショートメールを入れよう。まだ帰り着いて無いかな。メールだから関係ないか。
お礼と私のアドレス。送って、と。

はぁ。課長、結婚しないんだ…。
…私、本当に馬鹿みたいじゃない。はぁ、……課長…。

何度も抱きしめられてしまった。…可愛いって。結構…かなり…お姉さんの年齢なんですけど、私。でも…可愛いって。…。嬉しい。…やっぱりそこは普通に嬉しい。年齢なんか関係無く、可愛いなんて言葉自体がもう単純に嬉しい。
普段、誰も言ってくれないじゃない?催促も出来る事じゃないし。

ブーブー…。
あ、課長かな。アドレス…。
今日は楽しかった、って。
はい私も。…知らない課長、話も楽しかった…。
水曜は、とちって残業にならないようにな、って。
んー、そうなったら、なったで仕方ない。こればっかりは仕事だから。まあ、浮かれてミスをしなければ済む事なんだけどね。

はぁ、課長。課長で登録しようかな…。それとも、一条匠ってフルネームがいいかな…。

…何だか、ドア。人の居る気配が…してる。気のせい?
< 106 / 166 >

この作品をシェア

pagetop